2013年6月6日木曜日

スコアシート研究!

かなり遅くなりましたが,ソフトテニスマガジン6月号についていた別冊付録「最強スコアシート集」ってすごくないですか?

先月号の付録です。
高田商業・東北・昇陽・中村学園・文大杉並という強豪校のスコアシートが実例と共に書き方・読み方を含めて特集されています。また,白紙のスコアシートまで付いているので自分の学校で気に入ったものを使用することも可能!

すごい太っ腹な企画だと思いました。

その中で大変気になったのは,P.4~5の高田商業西森卓也(前)監督のことばです。

書き手の視点でスコアシートの深みが変わる
・・・スコアシートをより深く読み解くためには書き手側の意識も必要です。特に注意してほしいのは,ミスなのかポイントなのかの判断。たとえばA選手が厳しいコースに強いサービスをしたとしましょう。レシーバーのB選手はなんとかラケットに当てることはできましたが,ボールはとんでもない方向に飛んでいきました。この場合,スコアを書く人は「A選手のポイント」,もしくは「B選手のミス」どちらかを判断します。この状況ならA選手のポイントと考えますが,実際に選手自身が書いたスコアを見てみると,B選手のミスと記録されることもあります。よくある思い違いとして,最後に触った選手をポイントの判断材料にする人もいますが,そうではなく,ポイントになった過程(理由)をよくみて判断しなければなりません。だからこそ,スコアを記録する人はラリーをしっかり見ないといけないし,自然とポイントの見極めができるようになってほしいですね。

スコアをきちんと記録することにより,どうやったらポイントを取ることができるのかを学ぶことができるということだと思います。

ところで,現在,硬式テニスの四大大会(グランドスラム大会)の1つである全仏オープンが行われています。私もWOWOWで毎日見ています。

さて,その中で興味深いことがありました。下の画像を見て下さい。

ジョコビッチ対コールシュライバーの第2セットのStatistics(統計)です。
試合を見ていると1セットが終わると,このようなStatistics(統計)が出てきます。上から順番に見ていくと,
① 1st SERVE %(ファーストサーブの確率)
② 1st SERVE POINTS WON %(ファーストサーブが入った時のポイント取得率)
③ 2nd SERVE POINTS WON %(セカンドサーブが入った時のポイント取得率)
④ WINNERS(ノータッチで取得したポイント数)
⑤ UNFORCED ERRORS(自分からしたミス,いわゆる凡ミス)
⑥ FORCED ERRORS(相手のボールが良かったために相手にさせられたミス)
⑦ BREAK POINTS WON(ブレイクポイントでのポイント取得数)
⑧ TOTAL POINTS WON(1セット全体での取得ポイント数)

このセットはジョコビッチ選手が6-3で取ったのですが,トータルポイントを見ると,36対324ポイントしか差はありません。

ウィナーの数は16対9コールシュライバー選手が圧倒しています。では,どこに差がでたのでしょうか?

注目すべきは,①と⑥と⑦。

①はファーストサービスの確率。80%近いジョコビッチ選手と50%を切っているコールシュライバー選手では,ジョコビッチ選手が有利に試合を運ぶのは当然です。

⑥についてですが,4対14と大きな差がついています。この差は,どれだけジョコビッチ選手が相手にミスをさせるプレーをしていたかという証拠だと思います。アンフォーストエラー12対13と差がなかっただけにここが勝負の分かれ目だったと思います。

⑦を見ると,ジョコビッチ選手が,6回のブレークポイントをしのぎ,1回のブレークチャンスをきちんと生かし,セットをものにしたことが分かります。この点,さすが世界No.1の選手ということでしょう。

スコアシートを見ると試合の様子が目に浮かぶようですね。スコアシートはつけるけれど,つけっぱなしという人は,書いてもらったスコアシートを見直してみましょう。自分の試合を改善するヒントがきっとあると思います。

また,硬式テニスの統計の観点は,ソフトテニスのスコアシートにも活用できそうです。実際,東北高校のスコアシートにはファーストサービスの成功率を記入する欄がありました。それ以外の項目についても研究してみる価値がありそうです。みなさんも硬式テニスの試合を見る機会がありましたら,この統計表も注目してみて下さいね。

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